抄録
肥料成分調整コンポスト製造のための基礎資料とするために, 日本標準飼料成分表等を活用して, 各種バイオマスを分類し, 肥料成分, 分解特性等の項目の整理と成分調整資材としての適用性の検討を行った.C/N比が20以下と低いヌカ類, 植物油粕類, 茶かすと作物副産茎葉類, 食品産業製造粕類のうち約2/3の資材は, 無機態窒素の有機化の恐れが少ないため.成分調整用資材として利用可能であることが示された.しかし, これらの資材の大部分は, 窒素の割合が相対的に高く, 窒素成分の成分調整資材としては利用できるが, リン酸, カリの調整材としての利用は難しいことが明らかになった.また, コンポスト利用者の品質に対する要望を調査し, 資材による成分調整の可能性を検討した結果, 混合する資材の選択によって, 要望を反映したコンポストに近づけることが可能であることを示した.