農業集落排水汚泥モミガラコンポスト (以下, SHコンポスト) の肥効特性と施用後の動態解明を行うために, SHコンポストの施用量を段階的に変え, コマツナの栽培試験を行った.その結果, SHコンポストの肥効率は58%で, 鶏ふん堆肥と同等の速効性コンポストであることがわかったが, SHコンポストの施用量が多くなるにつれて, 作物に吸収される窒素の割合は低くなった.また, コマツナ地上部のδ
15N値を測定したところ, SHコンポストの施用量が多くなるほどδ
15N値が大きくなった.コマツナのδ
15N値を大きくする反応として, 土壌中の硝化反応, 硝酸や亜硝酸の窒素ガス化, アンモニア揮散があるが, 施用量増加により作物の窒素吸収率が低下したことから硝化が主要因である可能性は低く, 施用量が増加するほどN
2OやNH
3として大気に放出される割合が高まったことが要因であると判断された.
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