抄録
酸性土壌について、降雨時の表面水流出と土壌流出を減少させる目的で人工ゼオライトと消石灰を施用した土壌改良を行い、その効果について評価した。酸性土壌の風乾細土に10%と15%のゼオライト及び0.5%と5%の消石灰を混合し、原土の酸性土壌を加え5種類の供試土で降雨実験を行った。それぞれ平均乾燥密度がL30Mg/m-3とし30mmh-1と60mmh-1の降雨強度を与え、一定の経過時間毎に表面流出水を採取し土壌流亡灘を求めた。表面流出水量と土壌流亡濃度の変化は降雨経過時間により3段階に分けられ、最初の2段階で表面流出水量と土壌流亡濃度の両方が大きく減少した。ゼオライトと消石灰のいずれも供試酸性土壌においては表面流出水量と土壌流亡濃度の減少が見られ、さらに耐水性団粒の増加と粘土分散の特徴も見られるが、消石灰よりもゼオライトが高い土壌改良効果を示すことがわかった。