農業土木学会論文集
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曲線布設された継手管路の内圧負荷時挙動
藤田 信夫毛利 栄征岸田 隆行
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2007 年 2007 巻 248 号 p. 157-164

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抄録
パイプラインの屈曲部にはその角度に応じた曲管を用い, 内水圧に対してスラスト防護工の設置を検討するのが一般的である. 継手構造管路においては直管の継手の伸縮可とう性を活用して曲線的に布設し, 屈曲角度の小さい曲管を省略することにより, 設計の自由度が高まるとともに建設コストの縮減が可能になる. しかしながら屈曲した継手部に内圧によるスラストカが作用する際の管路挙動は明らかにされておらず, 適用事例も限定的である.
本論では, 模型管路による繰り返し内圧負荷実験を行い, 同一角度の曲管と曲線布設との土中挙動を比較した. その結果, 内圧スラストカによる屈曲部の変位は曲線布設の方が小さく, 各継手が均等な変位を生じて曲管よりも広い範囲に抵抗土圧が生じることを確認した. また既往の安全性検討式を用いて, 曲線布設においても曲管と同様に検討できることを明らかにした. さらに, 屈曲部のパイプラインをシェルとバネ要素でモデル化した数値シミュレーションを行い, 継手管路の内圧負荷時挙動が実験と合致することを確認した.
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© 社団法人 農業農村工学会
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