既設コンクリート躯体を活用して水路を更新しようとする場合, 目地部における効果的な漏水防止補修技術が必要となる. 筆者らは, 合成ゴムの有する高弾性に着目し, 目地材の断面形状を工夫することにより, 目地機能の安定性. 持続性, 目地補修の省力化が可能な工法開発を進めている. 多様な断面形状の目地材について目地挿入完了時および最大圧縮変形時の応力状態をFEM解析により調べたところ, 適切な空隙量を有する中空リム構造とすれば, 目地が伸縮しても目地材の水路側表面には引張応力が発生しないことが判明した. 一般にゴムが引張された状態では大気中のオゾンによる劣化を受けるが, オゾンにさらされる目地の水路側表面は常に圧縮応力状態に維持されることから, 高耐久性が期待できると考えられる.