2007 年 2007 巻 250 号 p. 429-436,a2
貯水池運用を考える際, 渇水などに対処するためには長期の流況予測が必要になる. しかし, 現段階の長期気象予測精度では長期流況を決定論的に予測することは困難である. そこで本研究では, 貯水池流入量を確率的に予測するために, 流出モデルを用いて確率累加流入量曲線を作成した. 確率流入量曲線の作成に流出モデルを用いると, 現時点の流域の乾湿状況を反映した曲線を作成できるという利点がある. また, 様々な確率累加流入量曲線と放流量を想定して, 実流域のダム貯水池における3ヶ月先までの貯水量予測を行った. この方式では, いろいろなケースについてシミュレーションして貯水量予測を行うため, 渇水協議会等での放流量決定の際の有用な資料を提供できる.