情報知識学会誌
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総説
情報学における歴史研究の境位 -「情報学自体の歴史」から「情報学から見た歴史」への道-
村主 朋英
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2001 年 11 巻 1 号 p. 11-16,32

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抄録
 American Society for Information Science and Techno1ogyを中心に進んだ研究は、図書館・情報サービスの歴史や情報学の分野それ自体の歴史を扱って成果を挙げている。本稿では、そのような近年の情報学における歴史学的研究の動向を踏まえ、情報学の立場からの歴史研究とメディア史(コミュニケーション史)の双方の視点を有機的に統合することによって、より包括的な情報史の研究を実現するための方策について論じた。情報環境の概念を導入すると、情報学の視点からの歴史研究は情報環境の構築・準備および管理という観点から構造的に把握し直すことが可能である。これに対し、メディア史の観点からの歴史像、つまり情報環境に囲まれた人々の情報探索行動や利用行動に焦点を当てた歴史記述を付加することによって、総合的な情報史の歴史観が得られると結論付けた。
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© 2001 情報知識学会
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