情報知識学会誌
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解説
化学物質の毒性情報と構造活性相関予測
田辺 和俊大森 紀人小野 修一郎松本 高利長嶋 雲兵上坂 博亨鈴木 孝弘
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2006 年 16 巻 3 号 p. 3_63-3_84

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抄録
近年, 化学物質の毒性に関する情報の取得が地球的な規模で喫緊の課題となっている. しかし, 動物を用いる安全性試験は莫大な時間と費用がかかるため, 毒性が未知の全ての化学物質について動物試験により毒性を評価することは不可能である. また, それらの情報を集録した毒性データベースにも様々な問題点がある. そこで, 構造活性相関, 特にコンピュータを利用した定量的構造活性相関 (QSAR) による毒性予測が化学物質管理の観点から重要になっており, 多くの毒性予測システムが開発されている. しかし, QSARによる既存の毒性予測システムの成績は実用的には不十分であり, 世界中の多くの研究者がこの問題に取り組んでいる. 我々は既存のシステムより高精度かつ高汎用性の予測システムの開発を目指して, ニューラルネットワークを用いた毒性予測手法を研究している. しかし, この問題の解決には信頼度の高い毒性データの収集を始めとして多くの課題が横たわっている.
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© 2006 情報知識学会
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