2009 年 19 巻 1 号 p. 2-14
本研究では,生活習慣病予防教室により得られる身体測定や血液検査等のデータか,生活習慣病の予防効果の傾向を把握するための分析支援システムを開発した.近年,全国的に生活習慣病予防教室が実施され,予防への取り組みが活発化するに従い,どのような取り組みをすればどのような参加者に効果があるのか,その詳細を分析することの重要性が高まっている.本システムで,教室を実施することで得られる時系列の測定データから,どのような群の参加者に効果があったのかを組み合わせ的に調べて分析者に提示することで,少ない労力で教室の効果の傾向を把握できるようにした.また,分析者は,提示された群のデータを表形式で表示して分析結果を確認した上,群の切り出し条件を少し変えた場合等の周辺結果を試行錯誤しながら閲覧でき,本システムを分析および現場での取組み改善のための基本的なツールとして使用できる.