抄録
電子書籍のグローバルフォーマットとして期待されているEPUBの次期バージョン仕様改訂が進んでいる.次期バージョンでは,電子書籍を表現する新しい試みとして,アノテーション・ナビゲーション・メタデータ技術,ページネーションやレイアウトに関する技術,HTML5やCSS3等Webを中心とした技術の導入はもとより,縦書き,ルビ,禁則処理,文字セット拡張等の東アジア語圏特有の検討課題についてもその実現に向け活発な議論がなされている.本稿では,特にEPUBの多国語化に向けて行われている取り組みを中心に,その標準化動向についていくつかの事例を交えて報告し,今後の展望について言及する.