情報知識学会誌
Online ISSN : 1881-7661
Print ISSN : 0917-1436
ISSN-L : 0917-1436
論文
生活習慣病予防のための競争意識を利用した歩行継続支援システム
田部 浩子吉廣 卓哉井上 悦子中川 優
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 21 巻 1 号 p. 37-53

詳細
抄録
生活習慣病予防を目的としてSNSの仕組みを導入したシステムによる歩行運動継続支援が試みられている.これらは,システム内のユーザ間交流により仲間意識や競争意識を高め,歩行運動を継続させることが狙いである.しかし既存のシステムではテキストを介した対話による交流がユーザの歩行運動継続を動機付けており,比較的長文のテキスト入力も苦にしない一部の対象者にしか受け入れられない.本研究ではより広い範囲のユーザを動機付けるために,より少ない入力情報を用いて歩行運動継続を動機付けるSNSシステムを設計・実装し,対話を用いない競争機構によりどの程度の動機付けが可能かを評価した.本システムの設計では動機付けのレベルを「自己記録の視覚的確認」「友人との競争」「ライバルとの競争」3段階に分類し,各々に3種類の競争機能を組み込むことで効果的な動機付け機構の実現を試みた.本システムの評価結果より,対話を用いない競争機能によって相応の動機付け効果が期待できることを確認したので報告する.
著者関連情報
© 2011 情報知識学会
前の記事 次の記事
feedback
Top