抄録
「四国学」とは,e-Knowledgeコンソーシアム四国が中心となって推進している地域学の取組である.その目的は,コンソーシアムに加盟している四国の国公私立8大学の教育・研究資源を学問体系化した上で,四国の特徴をさまざまな観点から取り上げることにより,四国の魅力の新発見・再発見を促し,さらには四国の未来を構築していくことにある.また,この「四国学」を各大学がeラーニングによって共有するところに,他の地域学には見られない大きな特徴がある.本稿では,コンソーシアムが発足した2008年度から,eラーニングによる単位互換科目の開講が実現した2010年度に至る3年間の事業実施状況について,主に香川大学の活動の紹介と,単位互換科目を履修した学生に対して行ったアンケートの集計結果の分析を行い,あわせて今後の大学における地域学のあり方を展望する.