近年,大学等の研究機関では,オープンサイエンスの中でも特に研究データ管理に基づくオープンデータが進められている.公開の先で幅広い利活用やイノベーションを生み出すには,社会との関係をいかに構築・維持していくかが課題であるが,その具体的な指針はまだあまり定まっていない.一方で元来,組織と社会の関係性構築は広報の本質的な機能であった.そこでまず学術広報の活動例に沿って,広報が担う具体的な社会との関係性構築機能を抽出・検証し,オープンサイエンスの活動の中に見出せる,それらの広報機能について考察する.最後にこれらの考察に基づいて,広報データの整備と利活用について展望する.