2021 年 31 巻 4 号 p. 493-496
高齢化に対応するため,厚生労働省は地域包括ケアシステムを推進している.これにはかかりつけ医を中心に,医療・介護に関係する施設間での連携,そして情報共有が重要である.医療分野における情報共有手段に診療情報提供書(様式11)がある.これは,紙面による自由記述での利用のため,多施設での共有は困難である.この点を克服するための診療情報提供書のデジタル化に向けて,我々はこれまで紹介目的と診療経過の内容構成をカテゴリ化し,様式11 に対する情報スキームとしての構造化を行ってきた.本研究では実際の記載内容へのテキスト分析を実施し,症状に関する語の抽出とカテゴリ化を行うとともに,それらの共起による特徴の把握を行った.