2022 年 32 巻 2 号 p. 260-266
日本の機関リポジトリによるオープンアクセスを推進するため,図書館は研究者に対して論文の提供依頼をおこなってきたが,そのメリットは不明確であり,提供依頼の成功率は低迷している.こうした現状を踏まえ,本研究では被引用数に着目することにより,日本の機関リポジトリによるオープンアクセスのメリットの存否について検証した.日本の機関リポジトリによるオープンアクセス論文の数は限られるものの,その被引用数と様々なタイプのオープンアクセス論文の被引用数の比較からは,日本の機関リポジトリによるオープンアクセスのメリットは確認できなかった.