情報知識学会誌
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Twitter上における学術論文拡散の分析 -COVID-19関連論文を例にして-
大森 悠生逸村 裕佐藤 翔吉田 光男
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2023 年 33 巻 3 号 p. 298-307

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抄録

 近年SNS上で学術情報に対する言及が多く見られ,注目を集めている.言及を学術情報の評価に用いる動きも存在するが,言及そのものに対する分析は少ない.本研究は,COVID-19という非研究者が言及ユーザとして多く含まれうる論文に対するTwitter上における言及の波及の程度を分析することで,SNS上での非研究者を含んだ学術コミュニケーションの様相を明らかにすることを目的とする.結果,対象文献に対する言及は広範囲に波及していた.要因としては,対象としたトピックの社会的興味の強さが関連している可能性が考えられる.ただ,文献ごとに波及の程度に差があり,どのような文献が広く波及するかについては,一概には判断できない.すなわち,SNS上での言及数を数えたとしても文献の社会的な注目度をそのまま示しているかについては判断がつかず,SNS上での言及数を用いて学術情報の評価を行う行為には注意が必要と言える.

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