2025 年 9 巻 2 号 p. 1-10
目的
国内外の先行文献から在日外国人に対する精神保健看護学分野の研究を概観し、在日外国人に対する精神科看護援助の現状と課題を明らかにした。
方法
2025年1月に文献レビューを実施した。検索キーワードを「在日外国人」、「外国人」、「精神看護学」、「精神保健看護学」とした。検索期間は2006年から2024年、使用言語は日本語と英語で設定し、医中誌Web、CiNii、PubMed、CINAHLのデータベースで検索した。選択基準は、在日外国人の精神保健看護学分野に関する日本語もしくは英語で書かれた原著論文とした。重複文献を除外した後、タイトルと抄録を読み、全文を確認し、選択基準に合う論文を選抜した。選抜した論文の結果をコード化し、テーマの類似性に基づいて、サブカテゴリ―とカテゴリーに分類した。
結果
国内文献12編が抽出された。抽出された文献は、事例検討が6編と最も多く、その中で地域における看護援助に関する文献は1編であった。在日外国人に対する精神科看護援助の現状として、【言語的コミュニケーションの活用】【非言語的コミュニケーションの活用】【外国人患者へ公平に提供される精神科看護援助】【文化と宗教に配慮した援助】【家族・多職種との連携】【訪問看護師による精神科看護援助】の6カテゴリーが抽出された。また、在日外国人に対する精神科看護援助の課題として、【コミュニケーションギャプによる関係構築の困難】【言葉の壁を越えるリソースの不足】【コミュニケーションギャップによる精神症状の判断の困難】【家族と地域関係者が抱く不安と家族対応の困難】【法制度の違いによる説明と理解の困難】の5カテゴリーが抽出された。
結論
在日外国人が公平に精神科医療を享受できるためには、精神科医療機関における医療通訳の環境整備、精神科看護師に対する文化的能力向上の教育介入研究、外国人利用者へ精神科訪問看護師が行う実態調査とエビデンスに基づいたガイドラインの作成が求められる。