抄録
本研究は,学校統廃合前から児童同士の人間関係形成を促すことを目的に,統廃合予定であったA 県B 郡の公立小学校3 校の第4 学年33 名を対象として,ピア・サポートを援用した学級活動(2)の授業を3 単位時間実践し,授業時の様子と振り返りアンケートから教育成果を検証した。その結果,児童の様子から,学校規模による人間関係や意思決定の傾向の違いを確認しつつ,適切なコミュニケーションや配慮の必要性についての気づきを促すことが確認された。また,授業の楽しさや理解度のアンケートでは80% 以上が肯定的であり,本実践が有効に機能していたと考えられる。これらのことから,統廃合後の集団生活に向け,互いに支え合う関係性の基盤形成が促進されたと言える。最後に,本実践を踏まえ,統廃合に伴う環境の変化への適応を促すため,人間関係形成に係る知識・技能を育成しつつ,互いに支え合う学級環境を整備する必要性を検討した。