2018 年 33 巻 p. 10-17
近年、生殖免疫において自然免疫の重要性が指摘されている。その中で、強力な抗原提示能とサイトカイン産生能を有する樹状細胞(dendritic cells: DCs)や、数は少ないながらも異物に対して迅速且つ大量のサイトカイン、細胞障害性因子を放出するinvariant natural killer T(iNKT)細胞は、流早産発症と深く関与している。本稿では、マウス、ヒト両面から、これら自然免疫担当細胞の役割や炎症を惹起する抗原について考察し、新しい流早産発症メカニズムについての知見を述べる。