2006 年 2006 巻 595 号 p. 595_79-595_97
WTO加盟による中国保険市場の開放に伴い,外資系保険会社の中国保険市場への進出が容易になった。こうした環境の中,日系生命保険会社の大手である日本生命と住友生命は,それぞれ中国の上海と北京で合弁生命保険会社を設立した。
本研究は日本生命と住友生命の中国進出をケースに取り,両社が中国へ進出するに際してどのような問題に直面しているかの分析を行った。日系生命保険会社の中国進出には,(1)パートナーの選択,(2)販売チャネル,(3)人材の育成,(4)収益性の増大といった課題を克服していく必要がある。特に販売チャネルの確保と人材育成の問題をどのように解決していくのかが,今後の事業展開の鍵として模索しなければならない重要なポイントである。