保険学雑誌
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保険の原理原則に基づく事業展開と保険活用
―保険金不払いから生命保険売買訴訟まで―
石田 重森
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2007 年 2007 巻 598 号 p. 598_21-598_34

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抄録
保険制度は,原理原則に基づいて組成され,その原理原則に則って事業経営が展開されるはずである。
ところが金融・保険を取り巻く環境が大きく変動し,規制緩和の実施,自由競争の激化,業界再編成の進展などの状況下にあって,保険事業の本来的な理念から逸脱した現象が多く見られるようになった。保険金の不適切な不払い,給付金の支払い漏れなどで,保険事業のコンプライアンスが厳しく求められている。
一方,保険を活用する消費者・加入者サイドでも従来から問題とされてきた逆選択,モラル・ハザードに加え,生命保険の売却を希望し,生命保険買取り業者の出現で,これが社会問題ともなり訴訟が行われた。この解決策の一つが生前給付特約の拡充と考えられ,保険業界も検討する価値はあろう。
いずれにしろ,保険を提供する側も加入する側も,保険の原理原則に則った正しい活用が望まれる。
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© 2007 日本保険学会
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