保険学雑誌
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モラルリスクに対する法的な対応手段の要件等の研究
―累積的な保険加入を伴う不正入院の事案との関係を中心として―
宮根 宏一
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2008 年 2008 巻 602 号 p. 602_89-602_108

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抄録
不正入院等のモラルリスク事案への対応のために用いられている各種の法的手段については,要件解釈上の不明点があるが,広義及び狭義の不労利得の目的,不正請求等の目的,広義の利得禁止原則,保険金額の過度の累積,等の各概念の相互の関係を整理することや,各法的手段の性格(瑕疵ある意思表示を行った当事者保護のための一般法理か,公益的な見地からの法規整か,保険独特の問題状況への対応のために政策的判断によって設けられた制度か)を意識した検討を行うことによって,それらの不明点をある程度解消することができる。
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© 2008 日本保険学会
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