保険学雑誌
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重大事由解除の効力と保険者の免責について
-保険事故についての虚偽申告を中心に-
遠山 優治
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2009 年 2009 巻 606 号 p. 606_101-606_120

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抄録
平成20年6月に公布された保険法は,重大事由解除を規定しているが,その解除の効力については将来効としつつ,重大事由が生じた時から解除がされた時までに発生した保険事故等について免責としている。この解除の効力に関する規定は片面的強行規定とされるが,他の保険法の規律や約款規定,たとえば,通知義務や「保険者の免責」との関係は必ずしも明らかではなく,特に,虚偽申告等による場合が問題となる。このような観点から,本稿では,従来,重大事由解除の「遡及効」や通知義務違反による保険者の免責などとして議論されてきた問題について,保険法の下でどのように考えるべきかについて検討する。
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© 2009 日本保険学会
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