保険学雑誌
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片面的強行規定の「趣旨」との抵触に関する判断と脱法行為論
-保険法との関係を中心にして-
宮根 宏一
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2011 年 2011 巻 614 号 p. 614_1-614_20

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抄録

保険法に多く含まれている片面的強行規定については,それらの趣旨に間接的・実質的に抵触する特約も無効となるものと解されており,そうした趣旨との間接的・実質的な抵触の有無をどのような枠組みで判断すべきかが問題となっている。
この問題について,民法等における脱法行為論に係る学説・判例の状況等を手がかりとして整理した結果,片面的強行規定の趣旨と特約との抵触の有無に関する判断の法的な性質は,拡張解釈・類推解釈を含む広い意味での片面的強行規定の解釈とその当てはめであって,当該判断の実質的な内容の中核は,片面的強行規定の規制目的と特約の目的のそれぞれの合理性・必要性の大きさに関する評価を中心とした比較衡量であること,等を確認することができた。

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© 2011 日本保険学会
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