抄録
2008年9月に発生した世界的な金融危機を契機として,G20および金融安定理事会(FSB)は,「システム上重要なグローバルな金融機関(G-SIFIs)」を特定し,G-SIFIsが経営危機に陥った場合に金融市場の混乱や公的資金による救済・破綻処理を防ぐための新たな規制を検討している。同様に,保険セクターについては,IAISが「システム上重要なグローバルな保険会社(G-SIIs)」の選定基準と適用規制の策定を行っている。
2013年7月にFSBはIAISの基準にもとづき,G-SIIs9社を発表した。この9社に本邦保険会社は含まれていないため,G-SIIsに対して適用される規制は本邦保険会社には課されない。しかし,銀行においてはG-SIFIsの認定後,国内で「システム上重要な銀行(D-SIBs)」の認定作業が行われている。保険も銀行同様に国内で「システム上重要な保険会社(D-SIIs)」を認定し,G-SIIsと類似の規制が国内規制として本邦保険会社に課される可能性があることから,G-SIIsに対する適用規制を今後も注視する必要がある。