保険学雑誌
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〔経済・経営・商学系〕
コーポレートガバナンス・コードの策定と企業年金の対応
丸山 高行
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2015 年 2015 巻 630 号 p. 630_81-630_101

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抄録
企業年金は,企業の重要な一事業(経営要素)という側面と投資家としての側面をもつ,特殊な存在である。この意味では,企業年金関係者(特に,企業年金の制度運営者)は,コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードという,2つのコードを同時に意識した行動が求められる。
もちろん,企業年金関係者には法的にも受託者責任が課せられるが,2つのコードが企業価値の向上を目指して策定されている以上,自らが行うコーポレート・ガバナンス,企業年金ガバナンスに関する行動原則を確立するにあたって,企業価値との関係を可能な限り念頭におく必要がある。企業経営者がそうであるように,企業年金関係者もまた,直接的なステークホルダー(年金の加入者および受給権者)以外のステークホルダーをも意識した,高次元のガバナンス行動が求められているといえよう。
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© 2015 日本保険学会
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