保険学雑誌
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「民事司法利用支援のための保険制度の役割」―平成28年度大会シンポジウム―
保険契約者等の権利保護と生命保険分野の対応
一ノ瀬 淳
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2017 年 2017 巻 636 号 p. 636_53-636_72

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抄録
高齢化の進展やIT技術の進歩など社会情勢が大きく変化するなか,金融ADR制度や成年後見制度をはじめとする保険契約者等の権利保護に関わる制度や生命保険分野の取組みについて,その重要性が一層高まっている。
また,マイナンバー制度が社会インフラとして定着し,将来的に,社会保障・税分野等の公的分野に加え,民間領域にもその利用範囲が拡大すれば,「顧客が対面や書面等で手続きする事項を簡易化・自動処理化し,顧客の手続き負担を軽減する」,「安否情報を活用した保険金等支払いや保全サービスを従来以上に迅速・確実に実施できる」等のメリットが想定され,保険契約者等の権利保護や紛争の未然防止に大きく貢献する可能性がある。
生命保険会社は,長期にわたる安心・保障を顧客に提供し社会保障制度を補完する存在であり,その役割を十全に発揮するためにも,保険契約者等の権利保護や紛争の未然防止に資する諸施策に継続的に取り組むことが期待される。
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© 2017 日本保険学会
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