2018 年 2018 巻 643 号 p. 643_51-643_71
本稿は,保険契約者の月払保険料の支払義務不履行により失効した生命保険契約・傷害疾病保険契約について失効後一定の期間内に保険契約者の請求と保険者の承諾および復活保険料の支払により契約を復旧させる保険約款上の復活制度に関し,失効後比較的短期間で復活が行われる場合における告知義務の適用のし方を,近時の関連裁判例を概観・分析して検討し,望ましい同義務の適用のあり方を探ることを目的とする。その上で,本稿は,学説の概観および判例の分析から,失効した保険契約の復活の際の告知義務の適用を肯定しつつ,逆選択の余地の少ない失効から復活までの期間が短いケースについては,告知事項の限定等により同義務の適用を制限すべきことを主張する。