保険学雑誌
Online ISSN : 2185-5064
Print ISSN : 0387-2939
ISSN-L : 0387-2939
【保険法制定10年】特集
保険法が実務に与えた影響
米山 高生
著者情報
キーワード: 保険法, 保険実務, 共済実務
ジャーナル フリー

2018 年 2018 巻 643 号 p. 643_73-643_92

詳細
抄録

保険および共済の契約を規律する新しい基本ルールとして保険法が成立してから,はやくも10年が経過する。保険法が保険および共済の実務にもたらした影響は計り知れないものがある。本稿の目的は,保険法が保険実務および共済実務に与えた影響について明らかにすることである。

保険法10年という区切りに実務への影響を再検討する作業は,当時の実務家が現役で活躍しているタイミングを考えると,実務家インタビューという手法が有効である。本稿では,損害保険,生命保険および共済のそれぞれの実務について,保険法施行への対応,および10年間の実務の変化に分けて整理した。

その結果,全体としていえば,施行時の対応に大きなコストがかかったが,その後の契約者保護や保険の品質の向上などのメリットを考えると,コストに見合ったものであったものであるという結論に達した。

著者関連情報
© 2018 日本保険学会
前の記事 次の記事
feedback
Top