2020 年 2020 巻 649 号 p. 649_35-649_56
保険法では,保険契約者等の保護のための規定の整備やモラルリスク等の防止のための規定の新設が行われたが,金融審議会でも保険法改正への対応について検討されており,また,保険法制定後も継続的に課題の検討が行われ,保険業法の改正等が行われている。その中には,保険法では対応が見送られた論点に関して新たな規制を設けるものがあり,さらに,翻って私法領域に新たな論点を提示するものも存在する。そこで,本稿では,保険法制定後の生命保険会社の実務を巡る監督規制の動向について振り返るとともに,私法(保険法)の観点からその現状と課題について検討する。