2023 年 2023 巻 660 号 p. 660_75-660_84
新型コロナウィルス感染症の流行を契機に生命保険の重要性や関心が高まった。潜在的ニーズが表出しにくい生命保険にとって,稀な事象であり,生命保険として大きな転換期となりえたが,その波に乗り切れなかった。社会のニーズの変化に応じた商品が求められる中,生命保険会社としても当然に変化への対応が求められる。これまで機関投資家として,時々の社会課題に対応してきたが,昨今はルールメイキングに参画することによって,社会課題解決に貢献したい。 SDGsとの関わりも外せない。日本生命は SDGsとの紐付けを過去行ったが,2019年に「SDGs達成に向けた当社の目指す姿」を設定した。保険の役割が,未病等へのアプローチに変化しており,また関わりも契約者,被保険者からその家族への関わりと拡がりを見せている。これら変化を積極的に受け入れ,企業としての社会価値を高めていくことが肝要。