保険学雑誌
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生命保険会社と格付情報
—再保険,ソルベンシー・マージン比率と財務的健全性—
徳常 泰之
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2024 年 2024 巻 664 号 p. 664_185-664_204

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抄録

日本版金融ビッグバン以降,保険業界を含めた金融業界において規制緩和が進み,保険会社による情報開示が大きく前進し,格付情報を取得する保険会社が増加してきた。本稿では生命保険会社における格付情報の取得,内容と変化に着目し,格付情報が生命保険会社の保険契約の引き受けに与える影響について分析を試みた。またソルベンシー・マージン比率についても同様に分析を試みた。格付情報を用いた分析では,受再保険料または責任準備金を被説明変数にしたモデルともに一定の説明力があった。またソルベンシー・マージン比率を用いた分析でも,受再保険料または責任準備金を被説明変数としたモデルでも一定の説明力があった。格付情報の変化やソルベンシー・マージン比率の変化が生命保険会社の業績に影響を与えている可能性が確認できた。また出再する保険会社によって国内の保険会社を受再保険会社として選好している可能性が認められた。

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