保険学雑誌
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「マイクロ保険の現状と課題」—令和5年度大会共通論題—
マイクロ生命保険商品について
片山 ゆき
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2024 年 2024 巻 664 号 p. 664_65-664_76

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抄録

マイクロ生命保険商品は,これまで農村部や低所得者層を主な対象として販売され,その普及が進んでいる。例えばマイクロクレジットなどローンに付帯し,強制加入の信用生命保険などが挙げられる。また,新型コロナウイルス禍以降は,健康への関心が高まり,さらに普及を後押ししている。一方,新型コロナウイルス禍による非接触型の消費の促進,世界的なデジタル化の進展は,マイクロ生命保険に新たな役割をもたらしている。それは,加入対象を低所得層としつつも,これまで保険に加入したことがない若年層や非正規労働者をも包摂し,デジタル技術を活用した新たな仕掛けや仕組みである。オンラインを通じた手続きなどの利便性の向上にとどまらず,保険加入によって,雇用の不安定化の改善,都市生活の安定化などその機能の裾野を拡大している。

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