インターンシップ研究年報
Online ISSN : 2433-1996
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インターンシップ実習中の自律性充足が大学生のキャリア自己効力感に及ぼす影響
古田 克利
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2014 年 17 巻 p. 1-10

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抄録

 本研究の目的は、インターンシップ体験が大学生のキャリア自己効力感に及ぼす影響を、アンケート調査により実証的に検討することである。具体的な検証仮説として「インターンシップ実習中の自律性充足が高いほど、インターンシップ実習後のキャリア自信は高い」を設定し、重回帰分析を用いて検証した。分析に用いたデータは、地方の文系私立大学で実施した2012年度夏季インターンシップの事前・事後アンケート調査の結果である。当該大学における2012年度夏季インターンシップの派遣先企業数は92社で、参加者数は261名であった。回収されたアンケートのうち、記入の不備等のあったデータを除く、112件を分析対象とした。分析の結果、インターンシップ実習後のキャリア自信得点は有意に向上しており、インターンシップを経験したことによるキャリア自信の向上効果が示唆された。また重回帰分析の結果、インターンシップ実習中の自律性充足の知覚がキャリア自信に正の影響を及ぼすことを明らかにした。これは、インターンシップ実習中に「自分でやり方を決めながら取り組めた」や「業務の進め方を自分なりに考えることができた」等から構成される自律性充足知覚が高いほど、インターンシップ実習後のキャリア自信が高まることを示唆するものである。

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© 2014 日本インターンシップ学会
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