2024 年 27 巻 p. 19-26
本研究では、キャリア教育の一環として実施されたインターンシップを、「キャリアの焦点化」「キャリアの展望化」「人的ネットワークの認知」「就労意欲」「自己理解」、「思慮深い学習」「探求学習」「目標達成学習」「自律学習」の4因子で構成される「大学生の自ら学ぶ意欲」、「学業の見直し」「大学生活の見直し」の 2因子で構成される「大学生活を見直そうとする意識」の尺度を用いて、実習実施期間・実施形態・学年の視点からインターンシップの効果を検証し、インターンシップの効果と大学生の自ら学ぶ意欲および大学生活を見直そうとする意識との関係を明らかにすることを目的とした。その結果、「人的ネットワークの認知」「目標達成学習」はオンライン群に比べて対面群が有意に高く、「就労意欲」は高学年群に比べて低学年群が有意に低かった。さらに、「自己理解」は短期インターンシップ群に比べて中長期インターンシップ群が有意に高かった。また、「キャリアの焦点化」「キャリアの展望化」「人的ネットワークの認知」「就労意欲」「自己理解」は、「大学生の自ら学ぶ意欲」や「大学生活を見直そうとする意識」との間に有意な正の相関関係を認めた。これらのことから、インターンシップの実習実施期間や実施形態、学年によって得られる効果に違いがあることや、インターンシップの効果が大学生の自ら学ぶ意欲や大学生活を見直そうとする意識と関係がある可能性が示唆された。