日本関節病学会誌
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原著
骨軟骨移植を併用した高位脛骨骨切り術後における患者立脚型評価に影響する因子の検討
原田 豪人室谷 好紀藤田 裕片岡 正尚奥谷 祐希清水 優
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2021 年 40 巻 4 号 p. 366-369

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抄録

目的 : 高位脛骨骨切り術の対象患者は比較的若年となることが多く術後も高い活動性が要求される。今回高位脛骨骨切り術後の患者立脚型評価に関連する因子を検討したので報告する

方法 : 内側型変形性膝関節症に対して高位脛骨骨切り術を施行した14例17膝を対象とした。臨床成績はIKDC scoreおよびKOOS scoreを用いて評価し, 術後1年の臨床成績と手術時年齢, 体重, BMI, 膝可動域, 膝伸展筋力, medial proximal tibial angle, femorotibial angle, %mechanical axis, 脛骨後傾角度, Caton比との関連を調査した。

結果 : 術後1年時の膝屈曲角度が術後1年時のIKDC scoreおよびKOOS scoreと有意に関連していた。また術後6か月時の膝伸展筋力が術後1年時のIKDC scoreおよびKOOS scoreに関連していた。その他の項目には術後1年の臨床成績と有意な関連は認めなかった。

考察 : 本研究結果において術後6か月時の膝伸展筋力が術後1年時のIKDCおよびKOOSに関連していたことから, 骨癒合が得られ復職やスポーツ復帰となる時期の筋力強化がのちの患者の感じる臨床評価に重要と考えられた。また, 臨床成績と術後の膝屈曲角度に相関を認めたことから, 単なる立ち座りだけでなくしゃがみ姿勢での作業などの深屈曲が, 高い活動性に要求されたと考えられた。

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