日本関節病学会誌
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原著
  • 加茂 健太, 原口 明久, 鮎川 周平, 兼田 慎太郎, 新庄 恵英, 久我 茂誠, 城戸 秀彦
    2025 年44 巻4 号 p. 343-350
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/31
    ジャーナル 認証あり

    目的:関節リウマチ患者に対する運動療法プログラムとして,Timed up and go test(TUG)と8の字歩行によるウォーミグアップと,下肢4種・上肢4種の自重運動から構成されるBody-weight exercise of lower and upper extremity: BELUを作成した。先行研究であるランダム化比較試験(BELU調査)では,女性RA患者において6週間のBELU実施後,強度を高めた運動プログラム(BELU additional strengthening: BEAST)を実施した群とBCAA(分枝鎖アミノ酸) ゼリーの補充を行った群において,12週時点で同等の筋力向上が認められた。今回,BELU調査参加者の調査後2年間における筋力,歩行速度の推移について調査した。

    方法:BELU調査に参加した44人の女性RA患者の調査開始時より1年,1.5年,2年時点における運動継続率ならびに握力,上腕二頭筋・大腿四頭筋力,TUG,歩行速度を評価した。また,1年時点でのTUGについて,64歳以下,65-74歳,75歳以上の3群に階層化し比較を行った。

    結果:BELU調査開始時の44名の年齢は,67.9±11.4歳(平均±標準偏差),RA罹病期間は8.3±8.5年であった。1年時点では31名が運動を継続していた(BELU19名,BEAST7名,その他運動5名)。上腕二頭筋力,大腿四頭筋力,TUG,歩行速度は開始時と比べ有意に改善していた (p<0.01)。握力は,開始時18.0 kgに対し19.6 kgと有意に高値であった(p=0.03)。1.5年時点,16名が運動を継続していた(BELU7名,BEAST7名,その他運動2名)。上腕二頭筋力,大腿四頭筋力,TUG,歩行速度において開始時より有意な改善が維持されていた(p<0.05)。2年時点,14名が運動を継続していた(BELU 7名,BEAST 2名,その他運動5名)。上腕二頭筋力と歩行速度について有意な改善が維持されていた (p<0.05)。年齢層別解析では,64歳以下および65-74歳の群で1年時点でのTUG所要時間の有意な短縮が認められたが,75歳以上の群では開始時との差は認められなかった。

    結論:女性RA患者に対する自重運動による運動療法プログラムの効果は患者自身の運動継続によって長期にわたり維持されたが,継続率の低下と効果の減弱が経時的に認められた。また,高齢者では効果の維持が困難である可能性が示唆された。長期的な効果を維持するには,継続的な介入による運動強度や頻度の定期的な見直し,調整が必要であると思われた。

臨床症例報告
原著
  • 川崎 恵吉, 酒井 健, 明妻 裕孝, 久保田 豊, 稲垣 克記, 工藤 理史
    2025 年44 巻4 号 p. 356-361
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/31
    ジャーナル 認証あり

    目的:当科で母指CM関節症に対して治療した,中手骨の骨切り用のロッキングプレートを用いた中手骨外転対立骨切り術と鏡視下滑膜切除術の併用手術(本手術)の治療成績を知ること

    方法:2022年11月以降当科で母指CM関節症に対して本手術を行った20例を対象とした。全例女性,平均年齢は57.3(47-66)歳,平均術後経過観察期間は13.5カ月で,Eaton stageでⅡ期は13例,Ⅲ期は7例であった。手術は,母指CM関節の鏡視下滑膜切除後,中手骨で約30°の外転対立骨切りを行い,既成の湾曲したロッキングプレートで固定した。術後約12か月以降で抜釘および再度鏡視下に関節内を確認した。これらの症例の術前後の画像評価,臨床成績,鏡視所見を調査した。

    結果:骨切り部の骨癒合は全例で得られた。術後の正面と側面の脱臼率は術前に比べて有意に低下した。臨床成績では,術前に比べて最終診察時に疼痛VAS,握力とつまみ力の健側比,DASH score,橈側外転と掌側外転も有意に改善し,MP関節の屈曲は有意に減少した。術中の関節鏡所見(13手)では,初回は全例大菱形骨側も中手骨側もICRS分類でstage 4であったが,抜釘時は中手骨側がstage 2/3/4が2/7/4手,大菱形骨側がstage 2/3/4が2/5/6手であった。

    考察:比較的若い更年期女性で,Eaton stageの初期の母指CM関節症における中手骨外転対立骨切り術と関節鏡手術は,関節亜脱臼と臨床症状の改善が得られた。

  • 阿部 健作, 野崎 正浩, 福島 裕晃, 花木 俊太, 太田 恭平, 村上 英樹, 森永 敏生, 出村 諭, 小林 真, 川西 佑典, 加藤 ...
    2025 年44 巻4 号 p. 362-369
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/31
    ジャーナル 認証あり

    目的:日本人内反膝の特徴を,Coronal plane alignment of the knee(CPAK)分類に基づいて分析する。

    方法:Kellgren-Laurence(KL)-0~3の内反変形膝1010膝に対し,デジタルプランニングツールを用いてCPAK分類を算出し,それに影響する因子を検証した。影響因子として大腿骨・脛骨弯曲角度も測定し,正を内弯,負を外弯と定義した。

    結果:CPAK type Iが最多の590膝(58.4%)で,II, IV, Vが315膝(31.2%),57膝(5.6%),37膝(3.7%)と続いた。Type IでmMPTAが83.5°と有意に小さかった。Type IVが特徴的で,mLDFAが91.4°と有意に大きく,有意に外弯しており,type I, IIに対して有意に高齢(72.0歳)であった。PhenotypeごとのKL gradeの割合では,type I, IIに対してtype IVでKL-2, 3が有意に多かった。

    考察:日本人内反膝でCPAK type Iが最多だった。過去の報告と併せて,大多数は年齢やKL gradeに影響されない可能性が考えられた。一方,type I, IIに対するtype IVの特徴から,少数だがOA進行機序のひとつとして,加齢による大腿骨外弯,mLDFA増大により,type I, IIからtype IVへ移行する可能性が示唆された。

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