日本関節病学会誌
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Editorial
原著
  • 朝永 育, 梶山 史郎, 今井 智恵子, 尾﨑 誠, 小関 弘展, 古市 格
    2024 年 43 巻 1 号 p. 3-7
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル 認証あり

    目的:次亜塩素酸水で前処理した生体材料表面におけるバイオフィルム内の生菌数を評価した。

    対象と方法:チタン合金製の基板を生理食塩水と2種類のpHが異なる次亜塩素酸水(HOCl)(pH=5.5 or pH=8.0,残留塩素濃度200ppm)に3分間浸漬した。インプラント関連感染症の起炎菌のひとつである表皮ブドウ球菌Staphylococcus epidermidisの菌液2.3×108CFU/mL(対数増殖期:OD600=0.2)を作製し,基板表面に滴下後60分間静置した。堆積菌をリンスした後,新鮮な培地内で6時間培養して初期バイオフィルムを形成させた。基板表面のバイオフィルムを遊離させ,希釈平板法にてcolony-forming units(CFU)を各16回ずつ計測した。

    結果:初期バイオフィルム内の生菌数の平均値(×106CFU/mL)は,対照群(生理食塩水)が11.3±3.4であったのに対し,HOCl pH5.5群では9.5±3.7,HOCl pH8.0群では8.0±3.4であり,HOCl pH8.0群では対照群よりも有意に生菌数が少なかった(P<0.05)。

    考察:pH8.0の次亜塩素酸水で前処理した材料表面では初期バイオフィルム形成が抑制される可能性が示唆された。

  • 小澤 悠人
    2024 年 43 巻 1 号 p. 8-15
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル 認証あり

    目的:骨盤側方傾斜(以下骨盤傾斜)とは冠状面での骨盤の側方への傾きを示す。寛骨臼形成不全による変形性股関節症では患側が下方に傾斜する骨盤傾斜が一般的であるが,時として患側が上方となる骨盤傾斜が存在する。本研究の目的は骨盤傾斜の向きと股関節の形態学的特徴の関係,脊椎アライメント,股関節機能の関係を明らかにすることである。

    対象および方法:単一施設後ろ向きコホート研究にて,2018年6月から2021年8月までに片側人工股関節全置換術を行った100人(100股)を対象とした。骨盤傾斜が2°未満のFlat群(F群),患側下方に2°以上傾くAffected side群(A群),患側上方に2°以上傾くHealthy side群(H群)の3群に分けて患者背景,臨床成績,下肢単純X線学的評価,脊椎アライメントを比較検討した。

    結果:F群は39例,A群は42例,H群は19例であった。患者背景は有意差を認めなかった。術前日本整形外科学会股関節機能判定基準はH群で有意差はないものの不良な傾向にあった。Crowe indexはF群9.0±12.7,A群20.5±19.5,H群34.8±17.7と有意にH群でF群より大きかった。骨頭外方化距離はF群14.8±5.3mm,A群で16.7±6.7mm,H群で22.6±6.1mmで有意にH群は他の群と比較し外方化していた。股関節内転角F群6.1±4.0°,A型1.4±4.2°,F群9.3±6.0°とA群で有意に外転していた。機能的脚長差はF群−2.1±7.2mm,A群4.9±8.3mm,H群−6.3±12.9mmと有意に他群と比較しA群で患側が短く,大腿骨長差もF群0.6±5.9mm,A群5.0±9.0,H群−1.8±10.1と有意にA群で患側が短かった。Lumbar scoliosis angleはA群が3.0±9.8°,F群が−2.0±4.5°,H群が−2.3±5.4°とA群が他の群より有意に健側凸となっていた。

    結論:骨盤傾斜が患側下方向に傾く変化は脚短縮,股関節外転位と関連があり,骨盤傾斜が患側上方向に傾く変化はCrowe indexと,股関節内転位と関連していた。患側が上方に傾く患者ではわずかに股関節機能が劣る可能性が示唆された。

  • 原田 哲誠, 濵井 敏, 幸 博和, 原 大介, 山口 亮介, 川原 慎也, 山手 智志, 國分 康彦, 小西 俊己, 中島 康晴, 西岡 ...
    2024 年 43 巻 1 号 p. 16-23
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル 認証あり

    目的:Adverse pelvic mobility(APM),Flatback deformity(FB),Stiff spinopelvic mobility(SPM)における三次元動態の特徴を解析することで,人工股関節置換術におけるCup設置の目標値を示すこと。

    方法:脊椎固定患者40人(腰椎単椎間,腰椎多椎間,腰仙椎単椎間,腰仙椎多椎間の各10人)を対象とした。座位起立動作の連続X線撮影を行い,イメージマッチング法を用いた三次元動態解析により骨盤前後傾と股関節屈伸角を算出し,CTより臥位の角度も測定した。APM(臥位−立位Δ骨盤傾斜>13°),FB(PI-LL mismatch≧10°),Stiff SPM(立位−座位Δ骨盤傾斜<10°)の有無で,座位起立動作中の骨盤・股関節動態を比較した。

    結果:APM有群(15人,38%)は無群と比べ,臥位−立位の骨盤後傾量は9°,股関節伸展量は5°大きく,立位の骨盤後傾は6°増加していたが,臥位と座位起立動作中の股関節動態に有意差はなかった。FB有群(24人,60%)は無群と比べ,臥位−立位の骨盤後傾量と股関節伸展量に有意差はなく,臥位と座位起立動作中の骨盤後傾は7~9°,股関節伸展角は6~9°増加していた。Stiff SPM有群(24人,65%)は無群と比べ,臥位−立位の骨盤後傾量と股関節伸展量,および臥位と立位の骨盤前後傾と股関節屈伸展角に有意差はないが,座位(座位起立動作の初期姿勢)と深座位(股関節最大屈曲角となる姿勢)の骨盤後傾は7~10°,股関節伸展は7~10°低下していた。

    考察:APMは骨盤後傾増加に応じたCup減捻を行うと後方脱臼リスク増加の可能性がある。FBは臥位FPPに対したCup前捻設置が必要であり,Stiff SPMは前傾増加に応じたCup約6°の増捻が目安となる。

  • 小西 俊己, 濵井 敏, 津嶋 秀俊, 川原 慎也, 赤崎 幸穂, 鮎川 周平, 山手 智志, 亀山 みどり, 中島 康晴
    2024 年 43 巻 1 号 p. 24-31
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル 認証あり

    目的:個人で異なる生来のアライメントを予測するために提唱されたCoronal Plane Alignment of the Knee(CPAK)分類に基づくTKA術前後のphenotypeが,術後中期以降の患者立脚型アウトカムに影響するか否かを検討すること。

    方法:2013年から2019年に当院で変形性膝関節症に対して初回TKAをmechanical alignment(MA)法で施行した187名231膝(年齢74±8歳,術後経過期間4.2±1.8年)を対象とし,患者立脚型アウトカムとしてKSS 2011,KOOS-12,FJS-12を調査した。術前後全下肢正面X線画像よりMPTA,LDFAを計測,aHKA,JLOを算出,CPAK分類phenotypeを同定した。患者背景,術前後aHKA,JLOを因子として,ステップワイズ法を用いた多変量解析を行い,KSS 2011,KOOS-12に及ぼす影響を調査した。

    結果:術前CPAK分類はphenotype(Ⅰ)が最も多く53%,術後CPAK分類はMA法の目標であるphenotype(Ⅴ)が最も多く26%であった。多変量解析の結果,術前後でaHKAが変化しないことがすべての患者立脚型アウトカムへの有意な正の影響因子であり,術後JLOが内方傾斜またはニュートラルであることがKSS 2011への有意な正の影響因子であった。

    考察:TKA術前後のCPAK分類phenotypeは術後中期以降の患者立脚型アウトカムに影響していた。術後aHKAは術前と分類が変わる,術後JLOは外方傾斜になると患者立脚型アウトカムが低下するため,CPAK分類に基づく術前計画および再現のある達成は患者立脚型アウトカムのさらなる改善に有用であると示された。

  • 木下 智文, 忽那 辰彦, 清松 悠, 津田 貴史, 髙尾 正樹, 日野 和典, 渡森 一光
    2024 年 43 巻 1 号 p. 32-37
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル 認証あり

    目的:Posterior-stabilized TKA(PS-TKA)において骨切り角度が術中軟部組織解離と術後成績に与える影響を検証した。

    方法:内反膝に対しPS-TKAを行った359例を対象とし,術後外側遠位大腿骨関節面角(LDFA)と内側近位脛骨関節面角(MPTA),術後HKAの各項目で±2度以内をNeutral(N群),3度以上逸脱した群をそれぞれ内反群・外反群とし,さらに術中内側軟部組織解離あり群,なし群のそれぞれ2群間で術後1年の2011 Knee Society Score(KSS)を比較した。

    結果:術後LDFA,MPTA,HKAは平均91.2±1.9度,89.8±1.8度,1.7±2.7度であった。LDFAは群間でKSSに差はなかった一方で,MPTAでは内反群が外反群に比して期待値・活動性が有意に高く(ともにP=0.02),N群と比較しても活動性で高値であった(P=0.03)。さらにHKAにおいて,内反群はN群と比較し症状,満足度,期待度で有意に高値であった(P=0.02,0.02,<.0001)。また解離あり群となし群ではMPTAに差を認め(あり群90.2度 vs. なし群89.2度:P=0.03),あり群で術後満足度が有意に低かった(P=0.01)

    考察:本研究結果から,術中骨切り角度と軟部組織解離は術後成績に影響を与える可能性が明らかとなった。内反角度やその長期成績への影響は検証の必要性があるが,重度の内反変形を呈する症例も多い日本人膝において外反骨切りを避け,軽度の内反を許容する術式は臨床成績の改善につながることが示唆された。

症例報告
原著
  • 佐藤 敦, 大池 潤, 太田 真隆, 古屋 貴之, 白旗 敏之, 大熊 公樹, 嚴樫 香名子, 矢倉 沙貴, 川島 史義, 高木 博, 神崎 ...
    2024 年 43 巻 1 号 p. 42-46
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル 認証あり

    目的:人工膝関節全置換術(TKA)において近年Kinematic Alignment法(KA)による良好な成績が報告されているが,術中のギャップについての報告は少ない。そこで本研究は当科で施行したModified KA TKA(mKA)の術中ギャップを計測することを目的とした。

    方法:当施設でmKA TKAを施行した27例(36膝),平均年齢73.7歳,平均BMI 25.0kg/m2を対象とした。計測方法は大腿骨,脛骨骨切り後に内外側独立式テンサーを挿入し,屈曲0°,屈曲90°の骨きり面間ギャップを測定した。また大腿骨トライアル挿入後に屈曲0°,30°,60°,90°,120°のコンポーネントギャップを測定した。

    結果:骨切り面間ギャップは屈曲0°内側17.6±2.4mm,外側19.5±2.5mm,90°内側18.3±3.0mm,外側19.1±3.6mmであった。コンポーネントギャップはそれぞれ屈曲0°内側9.1±1.4mm,外側10.9±1.8mm,30°内側10.3±2.1mm,外側13.2±2.9mm,60°内側10.9±2.5mm,外側14.3±3.1mm,90°内側11.0±2.1mm,外側13.9±2.9mm,120°内側11.6±2.3mm,外側13.3±2.9mmであった。

    考察:mKA TKAにおいては軟部組織剥離によるギャップ調整を行わなくとも特に内側のコンポーネントギャップが安定し,良好な軟部組織バランスが獲得できたと考えられた。

  • 加茂 健太, 城戸 秀彦, 原口 明久, 吉本 将和, 佐々木 良, 田中 秀道, 杉山 信靖
    2024 年 43 巻 1 号 p. 47-50
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル 認証あり

    目的:人工関節置換術前検査において,CRP値が陽性であることは,少なからず経験する。その場合,感染症や関節リウマチ(RA)などの精査が行われる。今回,術前のリウマチ因子陽性(RF)率とその後の転帰を明らかにすることを目的とした。

    方法:2019年6月以降,当院のリウマチ・関節外科(股)を受診し,人工股・膝関節置換術が予定された患者を対象とした。RAや他の膠原病と診断されていた患者は除外した。術前にRF,CRP,MMP-3検査を行った。

    結果:女性54名,男性6名が対象となった。平均年齢は72.6歳だった。股関節症44例,膝関節症16例だった。RF陽性率は16.7%(10例),CRP陽性率は31.7%(19例),MMP-3陽性率は40.7%(59名中24)だった。抗CCP抗体は,23例で追加検査され,4例(17.4%)が陽性だった。病理検査は,16例で行われた。RF陽性10例中2例がRAと診断された。経過観察中に,RF陰性かつCRP陽性例の中で,3例が血清反応陰性関節リウマチと診断された。

    結論:RF陽性率は16.7%であり,術前検査を契機に,8.3%がRAと診断された。

症例報告
  • 大神 浩司, 井上 敦夫, 高橋 謙治, 中川 周士, 新井 祐志
    2024 年 43 巻 1 号 p. 51-55
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル 認証あり

    はじめに:感染によるゆるみを伴う人工膝関節全置換術(TKA術後Type 4感染)に対しては二期的再置換術が勧められるが,特定の条件を満たせば一期的再置換術も適応となる。TKA術後Type 4感染に対して一期的再置換術を施行した症例を報告する。

    症例:79歳女性。74歳時左TKAを施行された。術後2か月脛骨インプラント周囲にRadiolucent Lineを認めたが増悪はなく経過観察されていた。術後4年関節痛の悪化を自覚したが熱感や関節水腫もなく感染徴候は認めなかった。関節液の培養検査は陰性で,血液検査で炎症反応を認めなかった。骨シンチグラフィで脛骨インプラントのゆるみと診断し一期的再置換術を施行した。術中の関節液培養検査で細菌は検出されなかったが,滑膜組織からStaphylococcus hominisが検出された。VCMとRFPを10日間,TEICとRFPを3週間投与後,MINOとRFPの内服を5か月継続した。術後8か月感染徴候なく経過良好である。

    考察:Haddadらは軟部組織が良好で,骨融解や欠損が少ないこと,起炎菌が同定され感受性のある抗菌薬があることおよび免疫不全や敗血症などがないことが一期的再置換術の適応としている。本症例は術後早期のゆるみでありType 4感染を念頭に治療した。術前に起炎菌は同定されなかったが他の条件は満たしており,一期的再置換術を選択した。二期的再置換に比べ治療期間は短く術後可動域も良好であり,Type 4感染でも条件を満たせば一期的再置換術は有効な治療法と考えた。

原著
  • 出村 博之, 佐藤 弘樹, 岡野 万里江, 西池 修, 西池 淳, 中村 冬香
    2024 年 43 巻 1 号 p. 56-62
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル 認証あり

    目的:膝関節内旋位での片脚立位保持動作課題を膝関節内旋方向の回旋不安定性評価として用い,BCR-TKA膝,BCS-TKA膝,Medial pivot型CS-TKA膝の異なる構造のTKA膝とACL不全膝間で膝関節内旋方向の膝関節回旋安定性を比較検討した。

    方法:対象は手術側下肢,損傷側下肢で片脚立位保持から片脚立位側への骨盤回旋動作が可能な32例35膝をBCR-TKA膝群9膝,BCS-TKA膝群10膝,Medial pivot型CS-TKA膝群10膝,ACL不全6膝の4群に振り分け,膝関節内旋位での片脚立位保持動作課題を膝関節内旋方向の回旋不安定性評価として用い動作課題の遂行可能,不能を測定し動作課題遂行時の自覚的膝不安定感の比較と再現性,膝関節伸展トルクとの関連性を調査した。各群の患者背景と動作課題結果の関連性をロジスティック回帰分析にて検討した。

    結果:動作課題の遂行はBCR-TKA膝の全膝でのみ可能であり,自覚的膝不安定感においてBCR-TKA膝に対し他の3群は有位に高値を示し,自覚的膝不安定感の再現性は高く,膝関節伸展トルクの相関は低かった。各群の患者背景で有意差を認めた項目はロジスティック回帰分析の結果,動作課題結果に関連する因子は抽出されなかった。

    考察:両十字靭帯の生理的な制動性を有するBCR-TKA膝は関節内旋が増大する動作課題において多方向からの外力に対し,同期的に大腿骨と脛骨を垂直化する安定性:Vertical stabilityの獲得が可能であると考えられた。また,片脚立位からの片脚立位下肢側への骨盤回旋運動課題はTKA後膝,ACL不全膝に対する荷重下での膝関節内旋方向の回旋不安定性の簡便かつ安全な臨床評価方法になり得ると考えられた。

  • 濱崎 雅成, 松岡 正剛, 岩崎 浩司, 鈴木 裕貴, 小野寺 智洋, 岩崎 倫政, 近藤 英司, 井上 雅之, 八木 知徳, 安田 和則
    2024 年 43 巻 1 号 p. 63-71
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル 認証あり

    目的:内側閉鎖式大腿骨遠位内反骨切り術(MCW-DFVO)は,外側型変形性膝関節症(OA)に対する有用な関節温存手術である。しかし,MCW-DFVO後の膝蓋大腿(PF)関節に与える影響は不明な点が多い。本研究の目的は,MCW-DFVOの成績と膝蓋大腿関節のバイオメカニクスに与える影響を明らかにすることである。

    方法:2016~2020年に外反膝に対してMCW-DFVOを行った21例(23膝)を後ろ向きに調査した。平均年齢43.2(14~73)歳,男性2膝,女性21膝であった。手術は,大腿骨内側から二面骨切りを行いロッキングプレートで固定した。臨床および画像評価は術後1年以降の平均39か月で行った。

    結果:矯正角度は平均7.1°であった。機能的大腿脛骨角(HKA)は平均6.0°から−2.0°,解剖学的大腿脛骨角(FTA)は168.4°から177.5°に有意に変化した(P<0.001)。下肢機能軸(MA)は平均75.4%から42.1%,mLDFAは82.3°から89.3°に有意に矯正された(P<0.001)。PF関節に関してtilting angleは7.4°から5.4°,lateral shift ratioは18.2%から13.9%,radiological Q angleは11.5°から6.1°に有意に減少した(P<0.001)。Tibial tuberosity to trochlear groove(TT-TG)distanceは,23.2mmから21.8mm,大腿骨前捻角は24.1°から22.0°に減少した(P=0.004,P=0.002)。Japanese Orthopaedic Association(JOA)スコアは58.6点から88.1点,Lysholm scoreは64.3点から88.6点に有意に改善した(P<0.001)。

    考察:MCW-DFVO後,下肢アライメントは外反から軽度内反に矯正され,臨床スコアは有意に改善した。PF関節に関してtilting angle,lateral shift ratioおよびradiological Q angleは有意に低下した。これらの結果は,MCW-DFVOはPF関節適合性を改善させる可能性を示唆した。

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