2025 年 44 巻 3 号 p. 323-326
目的:観察研究を行い,膝蓋下脂肪体部の痛みを訴えた症例において,脛骨顆部の形状を調査した。
対象と方法:42症例 54膝において,Angle AW(脛骨骨幹前方皮質と顆部前壁のなす角)とAngle IP(膝蓋腱と顆部前壁のなす角)を計測し,変形性膝関節症111症例との相違を調査した。
結果:Angle AWとAngle IPの平均(±標準偏差)は,膝蓋下脂肪体疼痛症例と変形性膝関節症症例で,それぞれ,9.1˚±4.0˚と6.2˚±3.5˚,および14.7˚±6.0˚および9.4˚±6.0˚であった。
考察:膝蓋下脂肪体疼痛症例ではAngle IPが小さく,膝蓋下脂肪体の存在するスペースが小さかった。膝蓋下脂肪体は膝屈曲早期において膝蓋腱と脛骨顆部前壁に挟まれることとなり,疼痛が起こりやすい状況となると考えられる。
結語:膝蓋下脂肪体疼痛症例では,変形性膝関節症症例と比較して,Angle IPとAngle AWが小さかった。