日本関節病学会誌
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原著
母指CM関節症に対する鏡視下滑膜切除と中手骨外転対立骨切り術の治療成績
川崎 恵吉酒井 健明妻 裕孝久保田 豊稲垣 克記工藤 理史
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2025 年 44 巻 4 号 p. 356-361

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抄録

目的:当科で母指CM関節症に対して治療した,中手骨の骨切り用のロッキングプレートを用いた中手骨外転対立骨切り術と鏡視下滑膜切除術の併用手術(本手術)の治療成績を知ること

方法:2022年11月以降当科で母指CM関節症に対して本手術を行った20例を対象とした。全例女性,平均年齢は57.3(47-66)歳,平均術後経過観察期間は13.5カ月で,Eaton stageでⅡ期は13例,Ⅲ期は7例であった。手術は,母指CM関節の鏡視下滑膜切除後,中手骨で約30°の外転対立骨切りを行い,既成の湾曲したロッキングプレートで固定した。術後約12か月以降で抜釘および再度鏡視下に関節内を確認した。これらの症例の術前後の画像評価,臨床成績,鏡視所見を調査した。

結果:骨切り部の骨癒合は全例で得られた。術後の正面と側面の脱臼率は術前に比べて有意に低下した。臨床成績では,術前に比べて最終診察時に疼痛VAS,握力とつまみ力の健側比,DASH score,橈側外転と掌側外転も有意に改善し,MP関節の屈曲は有意に減少した。術中の関節鏡所見(13手)では,初回は全例大菱形骨側も中手骨側もICRS分類でstage 4であったが,抜釘時は中手骨側がstage 2/3/4が2/7/4手,大菱形骨側がstage 2/3/4が2/5/6手であった。

考察:比較的若い更年期女性で,Eaton stageの初期の母指CM関節症における中手骨外転対立骨切り術と関節鏡手術は,関節亜脱臼と臨床症状の改善が得られた。

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