抄録
本研究の目的は,介護施設で働く職員に対して,勤務形態別にカフェイン含有栄養ドリンクの摂取と睡眠による休養との関連について検討することである。介護系施設で働く職員を対象に自記式調査を実施し607名から回答を得た。勤務形態別に,「睡眠で休養が十分とれている」を従属変数とし,フェイスシート,勤務形態(日勤のみ/ 交代勤務),睡眠時間,生活習慣(カフェイン含有栄養ドリンクの摂取,など),厚生労働省が推奨するストレスチェック,周囲のサポート状況を独立変数としたロジスティック回帰分析を行った。その結果,睡眠で休養がとれていることに関連したのは,日勤のみ群では,カフェイン含有栄養ドリンクの摂取の少なさ,平均睡眠時間の長さ,ストレスチェックにおける心身のストレス,飲酒頻度の少なさであった。交代勤務群では,カフェイン含有栄養ドリンクの摂取の多さ,平均睡眠時間の長さが関連した。ただし,これは横断研究のため,因果関係を明らかにした更なる研究が必要である。