睡眠と環境
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原著論文
未就学児における日中と夜間の光曝露とメラトニン分泌量 および睡眠の質との関連についての予備的検討
田村 典久
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2023 年 17 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

夜間の光曝露量が未就学児の睡眠問題に関与している可能性が考えられるが,これまでに未就学児の日常生活環境で光曝露量を連続測定し,日中と夜間の照度比を交えて,メラトニン分泌量や睡眠の質との関連を調べた報告は本邦ではみとめられない。本研究では,未就学児10 名(平均年齢4.9± 1.1 歳)を対象として,日中と夜間の光曝露量とメラトニン分泌量や睡眠問題の関連を予備的に検討することを目的とした。本研究では対象者の自宅を訪問し,アンケート調査,日中と夜間の光曝露量の測定,睡眠日誌の記録,採尿を依頼した。夜間の光曝露量を測定する照度ロガーは3 日間連続で測定し,日中の光曝露量を測定するアクチグラフは照度ロガーでの測定日を含む7日間連続で測定した。採尿は測定2日目の朝に各家庭で行い,メラトニン分泌の指標である尿中6-sulphatoxymelatonin 濃度(以下,メラトニン分泌量)を算出した。その結果,日中の光曝露量はメラトニン分泌量および睡眠効率と正の相関を示し,夜間覚醒回数と負の相関を示した。以上より,夜間の光曝露量が少ない場合には,日常生活下での日中の光曝露量は未就学児のメラトニン分泌量や睡眠の質と密接にかかわっている可能性があるため,光環境の側面からも未就学児の睡眠問題を把握する必要が示唆された。

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© 2023 一般社団法人日本睡眠環境学会
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