抄録
現在、殺虫剤として使用されているエクダイソン類似体による節足動物の内分泌の撹乱が危惧されている。我々は、甲殻類であるオオミジンコからスーパーオキシドジスムターゼと融合したビテロゲニン(VTG)の cDNA を単離し、特異抗体を作製した。また、20-ハイドロキシエクダイソン(20E)に曝露されたオオミジンコにおける卵巣肥大、VTG の過剰蓄積を見いだした。さらに染色体 DNA の解析により、VTG 遺伝子の上流にエクダイソンレセプターの結合配列と相同性の高い配列を見いだした。このことは、20E により VTG が転写レベルで制御されていることを示唆する。また、昆虫においてエクダイソンによって誘導されることが知られているいくつかの転写因子群の遺伝子断片をオオミジンコより単離したので併せて報告する。