抄録
塩性湿地に生息する腹足類のフトヘナタリ(Cerithidea rhizophoraum)は,底土表層を摂食しているが,その詳細な餌資源解析は行われていない。そこで炭素・窒素安定同位体比を用いて食性の解析を試みた。
フトヘナタリのδ13C値は土のδ13C値と高い相関を示した。しかし,フトヘナタリのδ13C値は土のδ13C値よりも高い値であったことから土の中でもδ13C値の高い有機物の利用が考えられた。そして,フトヘナタリの生息地の周囲で餌資源となる可能性のあるもののδ13C値を測定したところアマモを起源とする有機物の利用が示唆された。