抄録
河道が比較的安定した木津川の砂州に広がるツルヨシPhragmites japonica群落について、地上部と地下部のバイオマス、リター、土壌有機物等を採取した。これまで航空写真等による調査から、洪水が生じない期間は、ツルヨシのバイオマスやリターは増加する傾向にあることが確認できた。リターの蓄積量は、洪水が生じて以降、明瞭に経過年数に対し加速度的に増加していることが考えられる。この理由は、流出後、多少残った地下茎によって新しく群落が形成され始め、地上の葉茎を形成、転流によって地下茎の生長を繰り返し、年を追うごとに、地上部および地下部のバイオマスが増加する。こうしたサイクルによって、河道の安定化とともに砂州の固定化が促進されていると考えられる。