抄録
河川の濁りとそこに生息する魚類との関係は,河川改修など一時的かつ程度の強い泥濁水の発生時に悪影響を及ぼすことが指摘されてきた.しかし,通常に生じる濁りが及ぼす影響についての詳細かつ継続的な調査例は見当たらない.そこで,2000-2002年に高知県下の9河川でアユを採取し,その胃内容物中の砂泥分の占める割合を調べるとともに,採取時における河川水の濁度を測定した.濁度と胃内容物中に占める砂泥分との関係は,濁度値が高くなるとともに砂泥分の占める割合も高くなる傾向が見られ,通常でも軽微な濁りが生じている河川では,それがアユの餌料の質に影響を与えている可能性が示唆された.