2020 年 12 巻 p. 96
濱川(2018)はあるフィリピン人日本語教師にカウンセリングを行い,そこで,漢字学習は好きだが得意ではないという複雑な感情や,漢字指導に関して理想と現実の狭間で葛藤を抱えていることがわかったという。第79回研究会ではワークショップを行い,この事例を紹介した。次にグループで,参加者にも同じような経験があるか共有した。最後に,仮にそのフィリピン人教師が後輩だったとしたら,どのようなコメントをするかについて話し合った。ワークショップのあと,「多かれ少なかれ全員同じ経験があるのではないか」「解決方法はわからないが,話しているうちに“大した問題じゃない”と思えるようになった」「同業者にしか言えない愚痴がある。自分もカウンセリングを受けてみたい」などのコメントが届いた。