生活体験学習研究
Online ISSN : 2760-1463
Print ISSN : 1346-1796
学術論文
飯塚市庄内生活体験学校における保育者を対象とした 生活体験プログラム
保育者体験講座の実践分析を中心に
正平 辰男 原 和也桑原 広治末嵜 雅美宮嶋 晴子
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2023 年 2023 巻 p. 29-37

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抄録
本稿は、保育者の生活体験の実践力向上を目指し、福岡県飯塚市庄内生活体験学校で行っている生活体験 プログラム「保育者体験講座」の3年間の実践の内容と意義についてまとめたものである。生活体験学校で行っ ている幼児向けプログラムについて、保育者が参加主体となって親子で体験するものであるが、その内容はサツ マイモを栽培して焼き芋にするまでの体験活動が中心となり、他には野菜栽培・収穫、蜂蜜採取体験、落ち葉プー ルなどのプログラムを組み合わせて実施している。これら体験活動のプログラムでは準備や片付け、道具の取り 扱いも含めた一連を経験する「丸ごと体験」を基本としている。参加者の感想や意見からは、体験の意義となる 3つの視点を見ることができた。「『楽しい』を実感した生活体験活動」の視点では生産体験と消費体験それぞれ の楽しさとコミュニケーションの意義が見られた。「生活体験活動の意義理解」の視点からは、生活体験が幼児 の五感を刺激する体験であり主体的な気持ちを後押しするものであること、また循環の仕組みや塩梅を学ぶ機会 となることが分かった。「生活体験活動を日常的な保育実践につなぐ」の視点では、自園での日常的な再現性や その工夫、乳幼児の学びの発想、体験の共有の可能性などの意義が見られた。
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