日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第10回日本ロービジョン学会学術総会
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シンポジウムⅠ
日本福祉のまちづくり学会合同企画
ユニバーサルデザインからユニバーサルサービスへ
*原 利明鈴木 克典
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p. 42-43

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抄録


◇オーガナイザーのことば◇

1.ユニバーサルデザインとは
 ユニバーサルデザインとは何か?その代表的な事例は、業界がひとつになって視覚障害者にも洗髪中の晴眼者でもシャンプーとリンスを識別できる方法をデザインした取り組みである。このような考え方は、米国ノースカロライナー州立大学のロナルド・メイス氏が提唱したものである。

2. ユニバーサルデザインの現状
 わが国は世界にも類がない速さで超高齢化社会を迎え、様々な分野で社会基盤の見直しが迫られてきている。生活の基盤の『まちづくり』では、安全に安心して円滑に移動できることが求められ、それを促進させる法律や各種条令が整備され、一定の成果を挙げてきている。このような状況の中、2004年にユニバーサルデザイン政策大綱が制定され、これまでのハード整備に加えソフトの重要性が唱われ、社会環境をデザインすることが示唆されている。

3. ユニバーサルデザインの実現に向けて
 一方で、Visit Japan等の政策から各地で空港を始めとする交通施設の整備が進められている。そして、それらの整備においてはユニバーサルデザインの考え方に基づいて行われるようになってきた。その先駆けの中部国際空港では、障害当事者が中心となり、多様な利用者が使いやすい空港を追求した。その結果、ハードとソフトの連携が不可欠とされ、建物本体はもちろん事前情報提供、人的サービス、人材教育まで幅広く検討が行なわれ、提案された。その後、他の空港や駅などで同様の取り組みが行なわれるようになってきた。このように法律の整備や事業者の取り組みにより円滑な移動が確保されるようになってきた。
 また、最近では「行きよいまちは、住みよいまち」をテーマにまちづくりに取り組んでいる地域も増えてきた。
 そこで本シンポジウムでは、このような社会状況から移動を楽しむ『たび』をキーワードに今後のユニバーサルデザインのあり方を議論する。

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