日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第10回日本ロービジョン学会学術総会
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ワークショップⅠ
PRLをきわめよう =偏心視の臨床=
*石子 智士
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p. 54

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抄録


◇オーガナイザーのことば◇

 中心固視が障害されると物を見るために中心外領域を使うようになる。ハーバード大学スケペンス眼研究所(SERI)のTimberlake博士らは、この研究所で開発された走査レーザー検眼鏡(SLO)を用いて新たに使いはじめた網膜領域を評価しPreferred Retinal Locus(PRL)と呼ぶことを提唱した。その後、現在使っているPRLは必ずしも最も機能が良い領域ではないこと、もっと視機能的に有利な領域を使うよう訓練することができることなど、固視に関する研究がなされてきたがこれらを混同している人も少なくない。一昨年、日本ロービジョン学会では用語委員会によるロービジョン関連用語の整理に取り組み、「PRL」は「偏心視領域」という用語に邦訳することを提唱した。しかし、この用語もその内容も正確に広まってはいないというのが現状である。このワークショップでは、PRLの概念を理解して頂き明日からの臨床に役立つ知識を広めたいという目的で企画された。はじめに、ロービジョン学会用語委員会委員長としてPRLの用語作成に尽力されている岡山大学守本典子医師にPRLの概念のまとめをお願いした。次に、第1回ロービジョン学会招待講演者Catalino博士所属のSERIに留学していた日大駿河台病院藤田京子医師にPRLの評価方法についての解説をお願いした。最後に、偏心視訓練の経験を豊富にお持ちの国立障害者リハビリテーションセンター病院三輪まり枝視能訓練士長に実際に行っている偏心視訓練の紹介をお願いした。このワークショップで、あなたもPRLのスペシャリスト!

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© 2009 日本ロービジョン学会
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