日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第10回日本ロービジョン学会学術総会
セッションID: H204
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口演Ⅱ
拡大読書器使用の評価と指導の実際:ELVRスタディ報告4
*高津 育美陳 進志小野 峰子山村 麻里子吉村 尚子阿曽沼 早苗浅野 紀美江外園 千恵横山 貴子山縣 祥隆安藤 伸朗西田 幸二出江 紳一鈴鴨 よしみ
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抄録


【目的】ELVR研究で試作した拡大読書器使用の指導マニュアルを用い、指導前後の習熟度、偏心視、眼の疲労を評価して指導ポイントを明らかにし、拡大読書器の使用指導を実践した。その評価と指導の実際について報告する。

【対象と方法】東北大学病院眼科でELVRスタディに参加し、訪問リハビリテーションを希望した4名(男性2例女性2例、平均年齢71.3歳)に拡大読書器の指導マニュアルに基づいて訪問指導をおこなった。

【結果】指導の前後で、拡大読書器習熟度、偏心視、使用時の眼の疲れについて評価した。習熟度は、以下の8点を“1.よくできている”、“2.まあまあ”、“3.あまりできていない”、“4.ほとんどできていない”の4段階で評価した:1)拡大ツマミ操作、2)表示モードの選択、3)コントラスト(明るさ)調整、4)可動テーブルの操作(ネジの使用と縦・横方向の操作)、5)可動テーブル操作のスピード、6)視線の固定、7)読みたい部分の映し出し、8)書くこと。また、偏心視は“1.できている”、“2.まあまあ”、“3.できていない”の3段階評価とし、眼の疲れは“0=全く疲れない”~“10=疲れてとても使えない”として10段階で評価した。この評価に基づき指導の重要ポイントを見つけ指導を行った。実際行った指導は拡大読書器指導マニュアルに基づき行ったが、特に、習熟度4)、5)、6)が重要ポイントであることが多く、可動テーブルの動かし方や視線の固定をどの位置に持っていくと読みやすいかを提案した。8)の書くことについては影が気にならないよう利き手側のライトを消すよう指摘した。また、患者の視機能、環境に応じて指導を行い、指導後に同じ指標を再評価した。

【結論】今回用いた評価項目は拡大読書器使用の指導するにあたり有用であった。指導ポイントは各人で異なるが、特に共通するポイントがあることがわかった。

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